北欧照明の名品に出会う。デンマークの灯り展に行ってきました。

ずっと興味のあった北欧の灯りの展覧会が、大学の中の美術館で開催中と聞きつけ、思い立って行って来ました。テーマは「デンマークの灯り展」北欧の美しい照明をたくさん見ることができます。

そこには日本とデンマークの意外な共通点がありました。照明のみならず、デンマークデザインの名作である椅子にも座ることができたり。改めて灯りの大切さを感じた展覧会をご紹介します。

黄色い光に癒される

会場に入ってまず感じたのは、照明の色がすべて白熱灯のような黄色い色だったということです。全体的に明るすぎない照明。使う電球もほとんどがひとつだけのものばかり。でもこうやってたくさん並んでいるとそのほのかな灯りがホッとさせてくれるのです。

しかもこの展覧会は写真取り放題。展示されている椅子にも座り放題。土曜日の昼に行ったことと、大学の中の美術館ということで、人も少なく、ほぼ貸切状態で満喫してきました。

陰翳礼讃(いんえいらいさん)とは

美と云ふものは常に生活の実際から発達するもので,暗い部屋に住むことを余儀なくされたわれわれの先祖は,いつしか陰翳のうちに美を発見し,やがては美の目的に添ふやうに陰翳を利用するに至った。

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」より

日本人の芸術的な感性について論じた作品の中で言われた言葉です。現代のようにひとつの電灯で、部屋の隅々まで見えるように明るくするのに対して、昔の日本では灯りを使うことで影の部分も認め、それを利用することで陰翳の中でこそ映える照明を作り上げたのだと言っています。

確かにコンビニの照明などに代表されるような、白くて部屋のすべてが見渡せる灯りの中に長時間いると、疲れを感じることもありますよね。

今回見に行ったデンマークの灯りは、古き良き時代の日本の陰翳礼讃から影響も受けて作られた照明もあるそうです。

日本の提灯からヒントを得たデンマークの照明も

デンマークには、日本の提灯をヒントにして作られた作品が多いというのは初めて知りました。パネルには1937年にコーア・クリントが教会に日本の提灯を吊るした写真が残っていると書かれています。1937年といえば日本は昭和12年。好景気で賑わっている頃です。

この頃の日本の提灯を使ってデザインされたものが、今でも名品として残り、使われている。デンマークの伝統を大切にし、良いものを長く使う精神を垣間見た気がしました。

クリント・ファミリーの照明と折り紙の関係

細かく折られたプリーツが印象的なこちらの照明はクリント・ファミリー(クリント家の父親と息子とその家族で作り出したデザイン)のものです。

このデザインは日本の折り紙をヒントにしながら、デンマーク独自の文化や手法を取り入れて、さまざまなデザインへと発展して行ったそうです。デンマークと日本のこんなつながりもあるのですね。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェアに座ってデンマークの風景を楽しむ

展示会の真ん中にアルネ・ヤコブセンの有名なエッグチェアがありました。体全体が包み込まれるような感覚。一度座ったら立ち上がれない心地よさです。

この椅子の目の前には壁がスクリーンになっており、映し出されるのは数々のデンマークの照明を使った空館の写真。時を忘れてスライドに見入ってしまいました。

デンマークは湿度が少なく太陽高度が低いため、澄んだ光や長く続く美しい日暮れの時間帯などを楽しむことができるそうです。これらを邪魔しないように計算された照明が、街を美しく彩っています。

目に直接光が当たらないように計算された断面図

特にすごいと思ったのは、照明を大胆に切り取った断面図の展示です。こちらの写真は冒頭の一枚である、ポール・ヘニングセンデザインの「アーティチョーク」という照明です。アーティチョークという野菜そのものの幾層にも重なったシェードが特徴的なものです。

それを半分に切ってみると、上のような写真になるそうです。目に直接光が当たらないように計算されたデザインはとても興味深かったです。

帰りにIKEA(イケア)でスウェーデンの照明も見てきました

素敵な展示会の興奮冷めやらぬまま、近くにあるIKEAに立ち寄り、同じ北欧のスェーデンの照明を見て帰ることにしました。

こちらは販売されている照明なので、手が届きやすい価格です。実際に使っている部屋のイメージもディスプレイされているので、自宅に持って帰った時の想像がしやすく、我が家にも何個かこちらで買った照明があります。

照明の電球色選びが大切

IKEAの照明コーナーでは、電球が色ごととにディスプレイされていました。ひとくちに電球と言っても光の色は多種あって、用途に応じて色を使い分けていく必要があるのだなと思いました。

勉強や仕事をするなど集中したいところに向いている灯り、眠るためやリラックスする場所での灯り。それぞれの場所に合わせて電球の色も変えるのが目にも身体にも優しいのだなと感じています。

くつろぎの灯りのある生活が憧れ

この写真はデザインミュージアム・デンマークの写真だそうです。プリーツ状の照明がたくさん並んでいる空間は、その優しい光に落ち着きを感じつつ、とてもモダンな雰囲気も出しています。

帰宅して我が家の照明を見てみると気になる点がたくさんありました。以前から蛍光灯は苦手だったので家では使っていませんでしたが、部屋全体を明るく照らすのではなく、必要な場所にしっかり光が当たっていれば、後はもう少し暗い方が陰影がはっきりして落ち着くのではないかなと思いました。

デンマークの灯り展でデンマークの照明に対する考え方を知り、これからの心地良い部屋作りのヒントをもらった気がします。家の照明、もう一度見直してみませんか?

参照:デンマークの灯り展

 

この記事をかいた人

飛行機や電車、バスなど、移動が多かった先月。人ごみに行くことが多いと必ず風邪をもらってしまいます。インフルエンザも流行りだしている昨今、やはり人ごではマスクをするべきだったと、つらい風邪の症状が起こるたびに反省する私です。マスクは風邪を移さない為のものではなく、今や風邪を防御するものとして使うのが正しい使い方のような気がします。

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