九州初公開!六観音菩薩像を見てきました

快晴の五月晴れの日に、以前から楽しみにしていた「快慶・定慶のみほとけ」という六観音菩薩像を間近で見られる展示会へ行ってきました。観音菩薩像の「菩薩」とは、悟りを求め修行中の、現世の人々を救ってくださる仏ということを意味します。

仏像に対する興味は今までそれほどなかったのですが、歳を重ねると気になる事柄も変わってくるものですね。実際に見た菩薩像は、それぞれが大迫力で時を忘れて見入ってしまいました。九州初の展示だそうです。その内容をご紹介します。

九州国立博物館へ

福岡市の中心地から車で50分ほど、電車では西鉄電車で40分ほどで太宰府駅に到着します。太宰府駅から九州国立博物館へは参道を眺めながら歩くこと13分ほどで到着です。途中長いエスカレーターを幾つか乗り継ぎ、たどり着いたここが博物館の入り口です。

連休明けの平日とあって、中は人も少なく、ゆっくりと見て回ることができました。

観音菩薩像が普段展示されている大報恩寺とは

鎌倉時代の1220年に建てられた寺院で、2020年には創建されてから800年を迎える由緒あるお寺です。京都では大報恩寺は「千本釈迦堂」と呼ばれ、親しまれています。その所以は、金色に輝く釈迦如来坐像(パンフレットより撮影)が祀られる本堂が、貴族から庶民まで幅広い信仰を集めた釈迦信仰の中心の場所であったこと。近くに京都を南北に縦断する千本通りがあったことからだそうです。

寺院の本堂は、応仁の乱を始めとする幾多の戦火を免れ、京都市内で最古の木造建築物として国宝に指定されています。また、この寺は釈迦如来坐像と10人の僧侶の像、これからご紹介する六観音菩薩など、それぞれが揃って残されているため「鎌倉時代の彫刻の宝庫」とも言われています。長い年月の間、これだけたくさんん彫刻が綺麗に残されているというだけで、その希少さがわかりますね。

慶派とは

入場の際にもらったパンフレットには、「珠玉の『慶派』が九州へ!」とありましたが、「慶派」って一体何だろう?と思い、調べてみました。

鎌倉時代,奈良を中心に正系仏師として造仏界に勢力をもった一派。康慶以来、運慶、快慶、湛慶など名に「慶」の1字をつけるものが多く、後世これを慶派と称する。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より

なるほど。運慶、快慶などは歴史の教科書で習った覚えがありますが、その他にも弟子たちが素晴らしい作品を後世に残していたのですね。鎌倉時代のものが今もなお綺麗な状態で残されていること、普段京都に置かれているこれら多くの像が、はるばる九州までやってきたことに、感動してしまいました。

六観音菩薩像全てが撮影OKでした

パンフレットから撮影した写真で見られる、釈迦如来坐像や、十大弟子立像のそれぞれの像は十体ともほぼ完全な状態で保管されています。これらは撮影禁止なので撮ることはできませんでしたが、今回の目玉は六観音菩薩像が全て撮影OKだということです。

実際は菩薩像から10メートルほど離れたところにステージが設けられ、見学者はそのステージの上から少し高い位置で菩薩像の写真を撮ることができました。それぞれの像の横に名前が記されており、とてもわかりやすかったです。

六観音とは、真言宗では聖(しょう)・千手(せんじゅ)・馬頭(ばとう)・十一面(じゅういちめん)・准胝(じゅんでい)・如意輪(にょいりん)の観音を言います。それぞれ地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道を表します。観音菩薩が六体あるのは、どの世界にも救済の手が差し伸べられることを意味しています。このように等身大の六観音像が揃って残っているのは、極めて珍しいことなのだそうです。

千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)

千手観音…180.0cm。その名の通り手が沢山ありました。これは、あらゆる方法で人々を救う千手観音菩薩の慈悲の象徴を表しています。

如意輪観音菩薩(にょいりんかんのんぼさつ)

如意輪観音…96.1cm。「如意」とは意のままに智慧や財宝、福徳もたらす宝の珠のことで、「輪」は煩悩を打ち砕く法輪を指しています。その2つを手に持った観音菩薩ということで如意輪観音といいます。

准胝観音菩薩(じゅんでいかんのんぼさつ)

准胝観音…175.7cm。慈悲深い清浄をもたらす神とされています。真言宗系では人道を救済する観音像として知られています。

馬頭観音菩薩(ばとうかんのんぼさつ)

馬頭観音…173.3cm。怒りの形相で表され、馬頭明王と呼ばれることもあります。激しい怒りで苦悩や諸悪を粉砕し、馬が草を食べるように煩悩を食べ尽くし災難を取り除くとされています。

聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)

聖観音…177.9cm。人々を常に観ていて救いの声があれば瞬く間に救済する、という意味があります。地獄道に迷う人々を救うとされています。

十一面観音菩薩

十一面観音…180.6cm。苦しんでいる人をすぐに見つけられるように、頭の上に顔が11個あり、全方向を見守っています。修羅道に迷う人々を救います。

間近で見るとかなり大きな観音像たち。台座の上からの背の高さも調べてみました。これだけの大きさの木彫りの像を掘ることができるのは、さすが鎌倉時代の「慶派のスーパースター」と呼ばれる彫師の作品だなと思いました。

帰りには太宰府天満宮への参拝も忘れずに

博物館を出た後は、そのまま太宰府天満宮に向かいます。太宰府は一つの場所に、天満宮、遊園地、博物館がまとまっているので、移動がしやすいのが特徴です。一つの場所に沢山の見所が詰まっているので、ゆっくり一日を楽しむことができます。

天気も良く、観光客もたくさん見られた太宰府天満宮でした。博物館で観音像を見て、ゆっくりと参拝もし、帰りはお気に入りの茶房で名物「梅が枝餅」をいただいて帰宅という大満足な一日を過ごしたのでした。

 

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