【介護を考えるその3】コロナの影響下での遠距離介護

2020年のゴールデンウィークは、世界中が「STAY HOME」の中、不要不急の外出以外は家で過ごすと言う連休になりました。こんな時でも、医療関係の方などいわゆる「エッセンシャルワーカー」の方々には心から頭が下がります。

【エッセンシャルワーカー】とは
「英語で「必要不可欠な」を意味するエッセンシャルと、「労働者」のワーカーを組み合わせた言葉。米政府は医療、エネルギー、通信、農業、食品などの分野で社会を支える人々としている。新型コロナウイルス感染症の拡大で、重要性が再認識されている。安倍晋三首相も4月17日の記者会見で電力や鉄道、ごみ収集などの職種を挙げながら、感謝の言葉を述べた。」

2020/04/30 西日本新聞より

叶わなくなった介護帰省

父が認知症になり要介護4となりました。昨年夏から毎月のように父の介護の手伝いと、母の負担を減らすために帰省していた私でしたが、コロナの感染拡大の影響で「県をまたいでの移動は自粛」となり、帰省がかなわなくなりました。

日々記憶が薄れていく父とは、3ヶ月以上会えていません。電話では時々話をしているものの、日によって話すことが支離滅裂になっていたり、言葉が上手く出てこなくてイライラしていたり、ひどい時は私のことも理解していないようでずっと敬語で話し続けられたり。

すぐにでも帰省したいのに、出来ない。こんなもどかしい思いを抱えたことはありませんでした。飛行機は飛んでいるのに、人が動くことがコロナの感染拡大を広げてしまうかもしれない。もしかして自分はもう感染していて、無症状なだけなのかもしれない。そんな私が高齢の両親に会いに行ったら、感染させてしまうかもしれない。感染すると、高齢者の重症化率は高くなると聞きます。例えマスクがあっても、家の中でずっとしているわけにもいかないし、介護をしに帰れば、濃厚接触は避けられません。

新型コロナウイルスの恐ろしいところは、もちろん感染して自分が発症したら怖いなと思いますが、無症状で誰かに移してしまうかもしれないと言うことが一番恐ろしいです。そのため人とは距離をとり、マスクを着用し、遠い場所への移動も出来ない日々。意を決して両親に会いに行ったとしても、その後万が一私が発症したら、私に関わるすべての人に迷惑がかかってしまう。それが怖いからみんな自粛をしているのでしょう。私もその1人です。

母が疲弊していく

そうこうしているうちに、父を1人で介護している母から頻繁にSOSの電話がくるようになりました。父は現在週5日、デイサービスに朝10時から夕方4時ごろまで通っています。デイサービスのない2日間は、母と2人きり。足腰が達者な父なので、外へ出たがり、どこへ行くにも母が付き添っています。散歩から帰宅しても、トイレ、風呂、歯磨きから髭剃りまで、1人では出来なくなっていく父を世話しながら、家の中のこともしなければならない母。それでも父が穏やかな時は良いのですが、認知症が進んでくると暴言を吐いたり、暴力とまではいかなくても、母の言うことを聞かなくなり、着替えの時に嫌がって手を力一杯振り払ったり、風呂に入りたがらず、下着のままでずっと動かないなどトラブルが増えていきました。

母が泣きながら「あんな風に変わってしまうなんて。病気とはいえやりきれない」と電話口で泣いているのを、黙って聞くことしか出来ません。せめて近くに居て励ましてあげられたなら。移動がかなわないコロナの状況が本当に苦しく重くのしかかりました。

最後に頼れるのは身近で見守ってくれる「介護のプロ」の方々

そんな時、助けてくれたのはケアマネジャーさんでした。母からの涙の電話を切った後、こちらまで一緒に落ち込んでは前に進めません。すぐにケアマネさんに連絡して、現在の実家の情報を伝えました。本来ならば、コロナの感染を広げないために、訪問を控えているケアマネさんも多い中、両親の状況を知る担当の方は「明日にでも訪問しましょう」と言ってくれました。その言葉にどれだけ救われたかわかりません。

明るいケアマネさんと話をして母の気持ちもほぐれ、現在の苦しい気持ちを涙ながらに語ったそうです。こう言う非常事態の時は、遠くにいる娘より、近くで見守ってくれる「介護のプロ」のありがたさを母も実感したことでしょう。

母は「私1人が頑張ればいいことなんだから。周りにはもっと大変な人も多いんだから」といつも言っていましたが、たった1人で24時間父の世話をするのは気が抜けないことでした。睡眠時間は細切れ。父がいない間に食事の支度や買い物があるので昼寝もできない。そんな時、介護に対する豊富な知識を持ち、その人のために何が一番必要なのかを瞬時に判断してくれたケアマネさんが出した結論は「まずはお母さんを休ませましょう」と言うことでした。

母の休暇を作るために父を預けることに

すぐに父のショートステイ先を探してくれたケアマネさん。ショートステイとは短期入所生活介護ともいわれ、要介護の高齢者が数日~1週間くらいの短期で施設に入所できるサービスのことです。その間介護をしている家族は休むことが出来ます。

候補先をいくつか探してきてくれて、早速申し込みをすることになりました。高齢の母は、父のように認知機能に問題はないものの、介護中心の生活の中でさまざまなことを瞬時に判断する力が衰えてきているなと感じていました。コロナの影響で楽しみにしていたスポーツも中断せざるを得なくなり、中の良かった友人とのお喋りの時間もなくなっていました。

自分が我慢すればいいのだと思い込む母を、もう十分お世話しているんだから、少しの間睡眠時間を確保しようよと説得し、母もようやく父を2泊だけショートステイに行ってもらうことに同意しました。

今月末、初めてのショートステイに父は挑戦します。それがどんな風になるのか、父が混乱しないか、母はまだ不安なようです。そんな中でも、少なくとも2日間は自分だけの時間が持てると言うことが分かってから、少し母の精神状態も落ち着き、その日を楽しみにしているようになりました。

見守りながら先手を考えておくことが必要

遠距離介護では、すぐに会いに行けない分、電話の会話の中から父と母の現在の介護の情報を聞き出し、困っていること、悩んでいることはすぐにケアマネさんにつなげることが大切だと思いました。ただし、ケアマネさんに丸投げするのではなく、こちらも介護の情報をきちんと収集しておかなければなりません。ある程度の介護についての下調べや、施設の様子などはインターネットでも十分調べることが出来ます。もう困ったお手上げ!となる前に、先手を打って考えておくことが大切だなと今思っています。

 

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あんなにマスクが苦手だったのが嘘のように、今では外出時に家を出る時から帰宅までマスクをしているのが当たり前になりました。選ぶマスクの種類によって1日が快適でいられるかどうかも変わってくるので、マスクに対するこだわりも以前よりずっと強くなりました。今は洗えるコットン素材が一番のお気に入りです。

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あんなにマスクが苦手だったのが嘘のように、今では外出時に家を出る時から帰宅までマスクをしているのが当たり前になりました。選ぶマスクの種類によって1日が快適でいられるかどうかも変わってくるので、マスクに対するこだわりも以前よりずっと強くなりました。今は洗えるコットン素材が一番のお気に入りです。